鳩はどうして減らない?

そもそも法律で守られています。

鳩が減らない原因はいくつかあります。一つは「鳥獣保護管理法」という法律で守られていて、この法律の対象となるのは野生の鳥類と哺乳類で、鳩(ドバト)はこの対象に含まれています。そのため、駆除のために殺傷することはもちろん、捕獲したり卵を捨てたりすることも禁止されています。法律を破った場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。撤去したい場合は、保健所か鳩の駆除業者に依頼しますが、鳥獣保護法を守らなければいけませんので、業者も駆除の許可をもっているか確認が必要です。

鳩が生きていくうえで必要なエサですが、一体何を食べているのでしょうか?公園や街中で、人間の食べこぼしなどをついばんでいる姿をよく見かけますが、鳩は雑食性の生き物で、特に大豆、米、とうもろこしなどの穀物を好みますが、虫を食べることもあります。 公園で鳩にエサをあげている光景を見かけることもありますが、こういった行為は鳩が繁殖する大きな原因になります。寄ってくる様子が可愛いからといってあげてしまうことがありますが、鳩の被害を考えなければいけません。また、近年はビルやマンション、工場や倉庫などが数多く建設されていますが、これらは鳩にとって絶好のねぐらとなります。もともと、原種のカワラバトは岩場に生息していた鳥で、周囲を囲まれた空間を好みます。マンションやビルは、ベランダの室外機裏であったり、屋上の給水設備の下であったり、鳩が好みそうな空間が数多くあります。工場や倉庫の場合は天井の梁やダクトなども鳩にとっては安全に営巣ができる場所なっています。

天敵はどうでしょう?鳩は意外にもたくさんの天敵がいます。鳩の天敵は、カラスやワシ、タカ、フクロウなどの猛禽類やネコ、ヘビなどです。しかし、ワシ、タカ、フクロウなどの猛禽類は、鳩(ドバト)が暮らす街中にはいませんし、街に住むカラスや猫もエサには困っておらず、鳩(ドバト)を襲うことがめったにありません。実際には天敵がとても少なく、街は鳩(ドバト)にとって住みよい環境になっています。

鳩(ドバト)はとても繁殖力が強い鳥で、一年に何度も産卵を繰り返します。鳩は卵を産み温めている時期に体内に「そのう乳」(ピジョンミルク)と呼ばれる鳩特有の物質を体に蓄え始め、このピジョンミルクを親鳩が吐き出して雛に与えます。このピジョンミルクが作られることで、エサになる昆虫などの採取の必要がありませんので、一年中繁殖活動をすることがでます。ピジョンミルクはオスとメス両方の体で作られるので、両方の成鳥がそれぞれヒナにピジョンミルクを与えます。こうした理由が、鳩が減らない原因になっているのです。